「終活」は、郵便物の片づけから

20245月に、俳優の中尾彬さんが81歳で亡くなりました。訃報を伝えるニュースの中で、中尾さんご夫婦にはお子さまがおらず、人生の終わりを迎えるための「終活」に早い時期から取り組み、生前にお墓の準備をしていたほか、トレードマークの「ねじねじ(ストール)」の約半分200本を処分していた、というエピソードが紹介されていました。

 

はじめて終活というものを本格的に意識するのは、いつ、どんなときなのでしょう。そして、最初に何から取り組めばいいのでしょう。

 

終活を意識するタイミングは人それぞれですが、「親の終活」「自分自身の終活」いずれかに直面することが大半です。うまく類型化できていませんが、たとえば次のようなケースです。

〇親の終活を意識

・親の言動に老化の兆しが表れ、生活面に支障がおきはじめたとき

・親が自ら、老後の生活を考えはじめたとき

〇自分自身の終活を意識

・リタイアしたとき(定年退職や家業からの引退)

・大きな病気をしたとき

・親の終活に寄り添う中で、自分自身を見つめたとき

中尾さんご夫婦も、それぞれが過去に大きな病気を経験されており、それもきっかけの一つになったようですが、意識してすぐに終活をスタートさせた(ご夫婦とも「終活」という言葉は知らなかったそうで、「片付け」の意識ではじめた)ようです。

 

次に、「何からはじめるか」ですが、中尾さんご夫婦のように、お墓の用意や大切なものの処分からスタートする方がいる一方で、「もっと簡単にできることから」と考える方も多いことでしょう。

 

そもそも、「終活」と簡単に言いますが、その範囲はとても広く、次のことはすべて、終活に当てはまります。

〇自分の人生を考えること

・これまでの人生を振り返ってみる

・これからの人生をどうしたいか、夢、やりたいことなどを考える

〇周りの人が困らないようにすること

・人生をどう締めくくるか考える

・少しずつ身軽になる

なので、この中から、まずは自分が簡単にはじめられそうなことから、取り組んでみることをお勧めします。

 

個人的なおすすめは、たまっている郵便物(ダイレクトメール)の整理です。これらの大部分は、金融機関から送られてくる「利用明細」や、日常で利用している様々なサービスや契約の概要を説明する資料です。会社ごとにファイリングするだけでも、金融機関毎の取引や定期的な収入・支出に関する状況把握に役立ち、「資産の生前整理」にもつながっていきます。また、何より、この作業にはお金もかからず、家の片付けにもなります。

 

これがひと段落した時点で、エンディングノートを購入したり、専門家に相談したりして、次のステップを検討してみましょう。

 

 

終活やエンディングノートに関するアドバイスは

ライフ&マネーソムリエ Office-Tak(オフィスタク)

代表 尾﨑琢磨

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