「長期・積立」のメリットを、再確認しましょう

711日に過去最高の終値42,224円まで上昇した日経平均株価は、8月に入り大きく乱高下しています。

85日には、198710月のブラックマンデー翌日に記録した過去最大の下げ幅3,836円を大きく超える4,451円の下落で、終値は3万1,458円となりましたが、翌6日には過去最大の上げ幅3,217円で、終値は34,675円まで回復しました。

 

この激しい値動きは、国内外の出来事が絡み合い、引き起こされました。

国内では、日銀が7月末に政策金利を引上げたのですが、その際、さらなる利上げに含みをもたせました。一方、米国では、82日に発表された7月雇用統計で失業率が予想以上に悪化したため、9月に想定されていた利上げの幅が0.5%程度まで拡大する観測が急浮上しました。この結果、「日本は利上げ、米国は利下げ」と、日米の金利差が縮小する気配となりました。

これを受け、為替市場では円高が進み、5日には1ドル=141円台まで上昇したのですが、今度はこれが株式市場に波及します。

これまでの「円安=株高」の構図が崩れたことに加え、企業の想定を超える円高で業績下方修正が相次ぐ懸念も強まり、株価は5日に一気に下げ、過去最大の記録となりました。

6日は、為替市場が1ドル=145円台と落ち着きを取り戻したこと、前日の株安を行き過ぎとする買戻しが入ったことで、株価は前日と対照的な値動きとなり、過去最大の上昇となりました。

直近89日の終値35,025円は、昨年末の終値33,464円とほぼ同じ水準なので、年初から最高値までの7千円近い上昇分が帳消しとなった格好です。

 

今年の年初は、新NISAのスタート時期でした。新NISAで新たに資産形成をスタートした方にとって、今回の株価の動きは初めての経験になりました。スマホの新NISAアプリ画面で、これまでは増え続ける評価益だけを見ていたのに、評価損が突然現われて、顔色を変えた方も多かったのではないでしょうか。

 

一般論ですが、積立投資は、相場の下落に動揺せず、継続することをお勧めします。

一定額で積立て続けることで、相場が低いときは多く購入でき、相場が戻った時には購入量は減るものの、過去に多く購入した分も含めて時価が上昇するからです。

あくまでも作られたシナリオにはなりますが、1年間にわたって1万円を毎月積み立てるとして、2つのパターンを比較してみます。

①毎月1万円を銀行口座に入金し続ける

②毎月1万円で投資信託を購入し続ける(基準価格の推移:1,0001,0501,1007007508008509009501,0001,0501,100

細かい利息計算は省略しますが、12か月後は、

120,000

143,825

と、②が①を2万円以上も上回ります。

①は、元本が割れないメリットはありますが、1%に満たない利息しか付きません。

②は、基準価格が4か月目に急落し、下線のとおり半年間は当初価格を下回って推移するというシナリオですが、常に同額で購入し続けた結果、12か月で130.8口が購入でき、相場も回復した結果、①に比べ2万円以上利益が上回っています。また、基準価格が900円に回復した8か月目で時価は82,448円となり、①の80,000円を上回ります。

 

「ドルコスト平均法」という投資手法で「長期・積立」メリットを紹介してきましたが、「全てこの方法で」とせず、「分散投資」の一環として取り組みましょう。分散投資については、次回に紹介したいと思います。

 

 

資産運用に関するアドバイスは

あざみ野、たまプラーザの独立系ファイナンシャルプランナー

ライフ&マネーソムリエ Office-Tak

代表 尾﨑琢磨

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