さまざまな視点で、お墓選びをしましょう(2)

前回ブログの続きです。

 

近年、核家族化や少子化が進む中、家族関係の変化や個人の価値観の多様化により、故人を埋葬するときに、「〇〇家代々之墓」といった「家墓(定義は前回ブログで説明しています。)」を建立しないケースが増えています。

もし、みなさんが自由にお墓を選べるとしたら、どのように考えればいいのでしょう。

 

前回は、「供養の方法」という視点で、お墓の種類をいくつか紹介しましたが、今回は、「埋葬場所」で分類してみました。代表的なものとして、寺院、霊園、自然葬が挙げられます。

 

(1)寺院

・お寺の墓所です。

・「同じ宗派に限ります」「檀家になっていただきます」などの条件について、あらかじめ確認が必要です。

①寺院墓

・個別に建てたお墓に埋葬されます。墓石の形はさまざまです。

・将来的に、管理費用を負担できる後継者が必要です。

②永代供養墓

・他の埋葬者と合葬されます。故人は、遺族以外の人からも、お参りを受けます。

・後継者がいなくなることで、「無縁仏」になる心配がありません。

(2)霊園

・公営や民営があります。立地、設備、サービスなどが異なるため、費用もさまざまです。

・宗教、宗派などが関係なく、宗教色がありません。

①霊園個別墓

・個別に埋葬されます。墓石の形や彫る文字などは比較的自由で、故人の希望や遺族の思いをかたちにすることができます。

・将来的に、管理費用を負担できる後継者が必要です。一定期間を経過した後、②に移行することが可能なケースもあります。

②霊園合葬墓

・納骨所に合同で埋葬されます。結果として、遺族以外からもお参りを受けます。

・後継者がいなくなっても、管理面で支障がありません。

(3)自然葬

・火葬した遺骨を、山や海などの「自然に返す」埋葬方法として、最近、脚光を浴びています。

・特に③の散骨は、「埋葬しない」という点で、他と大きく異なります。

①樹木葬(区画型)

・個別の区画に、墓石の代わりに若木(シンボルツリー)を植え、遺骨を埋葬します。

・将来的に、管理費用を負担できる後継者が必要です。

②樹木葬(集合型)

・集合区画の大きなシンボルツリーの下に埋葬します。

・後継者がいなくなっても、支障がありません。

③散骨

・遺族が、海や山に出向いて、粉末化した遺骨を撒く方法です。特定の場所への埋葬は行いません。

・故人が希望していた場所や、故人に因んだ場所などを、自由に選ぶことができます。

・「散骨して終わり」なので、お墓のような、後々で故人を偲ぶ場所がありません(散骨場所がその場所、とする考え方もありますが)。

・散骨場所は、周辺環境との関係で、制約を受けることがあります。

 

実際に、寺院や霊園に足を運んでみると、冒頭に言及した通り、核家族化や少子化を背景に、将来の管理をどうするか、という点で、他の埋葬者との合葬が選択されるケースが増えている印象を受けます。

また、価値観の多様化という点では、「偲」「想」のほか、おそらく故人が好んでいたと思われる漢字一文字や、フレーズなどが彫られている墓石も少なくありません。

 

関係が許すのであれば、埋葬場所などについての意見交換を家族で行い、共通の思いが実現できるといいのではないでしょうか。

 

 

ライフプランに関するご相談は

横浜市青葉区(あざみ野、たまプラーザ)の独立系ファイナンシャルプランナー

ライフ&マネーソムリエ Office-Tak

代表 尾﨑琢磨

まで、お気軽にお問い合わせください。