前回ブログの続きです。
「もし、みなさんが自由にお墓を選べるとしたら、どのように考えればいいのでしょう。」というテーマで、「供養の方法」、「埋葬場所」、「埋葬者(故人が誰なのか)」などの視点から、さまざまなお墓を紹介してきました。
今回は、「墓石」そのものに着目した分類をご紹介します。代表的な「和墓」、近年増えつつある「洋墓」、そして極めてユニークな「デザイン墓」について、それぞれ特徴をみていきましょう。
(1)和墓
・「〇〇家代々の墓」と刻まれた縦長の石碑が用いられる、最も一般的な墓石です。和の落ち着きが、日本人には馴染み深いです。
・お墓の顔として家名が彫られる「竿石」、その下部に位置する「座布団」、仏花を供える「花立て」などで全体が構成されており、一つの和墓に多くの石材が使用されます。また、竿石や座布団は、まさにお墓の顔であり、さまざまな石質、形状、彫刻の種類があります。
・さらに、家墓の場合、そこに埋葬されている先祖の記録として、戒名(法名)、没年月日、享年、俗名などを刻む墓石「霊標(墓誌)」も用いられ、歴史と風格が加わります。
・費用面では、石材の質や数、彫刻の具合などにより、高くなる場合もあります。管理面では、形状が複雑な和墓は雨風に汚れやすく、定期的な清掃が必要となります。
(2)洋墓
・厚めの台石の上に、横長の墓石を載せた形状が一般的です。和墓と比べ、洋風でモダンな雰囲気があります。
・台石の種類には、一段や二段(段石)があるほか、竿石には、台石に対して垂直な「プレート型(ストレート型)」、斜めな「オルガン型」などがあります。
・竿石への彫字は、家名に限らず、故人が生前好んだ文字や言葉のほか、故人を偲ぶ、次のようなものも使用されます。
- 一文字・・・「愛」「絆」「想」「偲」
- 二文字・・・「感謝」「悠久」「平安」
- 言葉・・・「ありがとう」「やすらかに」
- 英文・・・「Forever」「Meet again」
・費用面では、総じて和墓に比べて安価です。
・デザインが自由な反面、使用を禁止している寺院もあるなど、場所の制約があります。
(3)デザイン墓
・和墓や洋墓と異なり、従来の形にこだわらず、自由な発想でデザインされたお墓です。
・近年では、3DシミュレーターやCADなどの技術でお墓をデザイン、設計することが可能になったほか、PCで試作デザインの確認などもできるようになったため、曲線や左右非対称などを取り入れた、自由なデザインの墓石制作が可能になりました。
・モチーフについても、お酒好きなら徳利、愛煙家ならパイプをベースにするケースがあるほか、近年では、バイク、サッカーボール、故人のミニチュアなど、故人を感じるいろいろなものが活用されています。
・デザインが自由な反面、費用や埋葬場所に制約が出る可能性があります。
お墓選びを行う場合は、
・「家族、親戚の意向」を確認しつつ、
・「どの様な場所」に、
・「誰」のためのお墓を、
・どのような「供養の方法」で
・どのような「形(墓石)」で建てるべきか
という思考回路で検討していきましょう。
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