さまざまな視点で、お墓選びをしましょう

私は、年に何回か、お墓参りのために、横浜市内のとあるお寺を訪ねます。地元では、境内に四季折々の花が咲く“花の寺”として有名で、週末には、参拝者に加え、カメラやスマホで花々を撮影する方を多く見かけます。

墓地をみると、本堂近くには古い墓石がならび、その周りを新しい墓石が囲むように、区画が広がっています。さらにその奥には、造成工事を行い、石材業者の営業用ブースが設けられている、拡張中の区画もあります。

一方で、古い墓石のあたりに目を転じると、所どころで石材業者が何か作業をしています。お寺に聞いてみると、「最近たまに、墓じまいがあります」とのこと。

 

近年は、核家族化や少子化が進み、「〇〇家代々之墓」の承継者がいなくなるケースが増えているようです。また、「〇〇家代々之墓」をもたない場合や、必ず入らなくても良いなどの場合、家族関係の変化や価値観の多様化を背景に、家のお墓を新たに建立しないケースが増え、故人の埋葬方法は多様化しています。

「永代供養」をはじめ、最近よく耳にする「樹木葬」「散骨」は、その代表例です。

 

そもそも日本では、「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」で、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない。」と規定されており、「埋めるなら墓地」とする必要があります。ただ、発想を変えると、お墓の建立が義務付けられているわけではなく、さらに「墓地」そのものがバリエーション化した結果、選択肢が増えた、ということなのでしょう。

 

仮に、私たちが「〇〇家代々之墓」に入らないとする場合、どのように「お墓選び」をすればいいのでしょう。いくつか視点がありますが、今回は「供養の方法」というところで、分類をしてみます。

 

(1)家墓(一般墓)

・家々の後継者が先祖代々を供養する。これまでは最も一般的な墓。

・「〇〇家代々之墓」などと、墓石に家名を彫刻。

(2)永代供養墓

・お寺や霊園に遺骨を預け、永代にわたって供養が継続される墓。①②が代表的な例。

①納骨堂

・個別の扉がついた棚やロッカーに骨壺を収める。マンションのイメージ。

・あらかじめ決めた期限を経過した場合や、後継者がいなくなった場合、②での埋葬に切り替わる。

②合葬墓・合祀墓

・遺骨を骨壺から取り出し、他の遺骨とともに、埋葬される。

(3)自然葬(樹木葬)

・霊園内の樹木(シンボルツリー)の根元や、庭園などに遺骨を埋める。

(4)手元(自宅)供養

・お墓を建立せずに、遺骨を自宅で保管する。

 

管理方法や費用の面で、それぞれ一長一短があり、家族も含めた検討が必要です。

 

お墓選びは、今回ご紹介した供養の方法による分類のほか、

・寺院墓、霊園墓などの「場所」による分類

・個人墓、夫婦墓などの「埋葬対象者」による分類

・和墓、洋墓などの「墓石の形」による分類

があります。次回以降、何回かに分けて、このあたりも紹介していきたいと思います。

 

 

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