リタイヤ層の生活費水準を、調査結果からご紹介します

おととい、日本FP協会神奈川支部主催の「FPフォーラム」が、横浜で開催されました。私は、支部の運営委員を務めているのですが、同フォーラムは、私が所属しているフォーラム委員会がメインとなって主催したものです。

 

このイベントは、生活者のみなさまを対象としているもので、資産形成やライフプランニングに役立つ無料セミナー、FPによる個別の無料相談会、FPと一緒にライフプランニングに取り組むワークショップなどが開催され、どのイベントも終日盛況でした。

私は、この中でワークショップを担当したのですが、「60代から始めるマネー&ライフプラン」というテーマの下で、参加者のみなさまがライフプランニングの重要性を理解しつつ、講師と一緒にモデルケースを使ったライフプランニング作業に真剣に取り組まれる様子を拝見し、参加者がご自身のライフプランニングに取り組まれるきっかけになれば、と感じました。

 

ライフプランニングを作業として捉えると、自分の将来の夢や目標を実現するために、まずはそれらをリスト化した上で、必要資金を合計して「お金」という形で可視化を行い、資金が足りない場合は、対策の一つとして支出を見直す、というながれになります。

 

ところで、リタイヤ層の60代における支出は、実際にどれくらいの水準なのでしょう。

2023年の家計調査結果によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における月間支出額は、約25万円ということです。内訳は以下のとおりです。

 

〇食費:¥72,930.-

〇住居、家具・家事用品費:¥27,304.-

〇水道光熱費:¥22,422.-

〇交通・通信費:¥30,729.-

〇教養娯楽費:¥24,690.-

〇保険医療費:¥16,879.-

〇交際費:¥24,230.-

〇その他:¥31,775.-

<消費支出合計>:¥250,959.-

 

ちなみに、同対象の可処分所得額は¥213,042.-なので、これを差し引きした収支は¥37,916.-のマイナスとなり、これを手持ちの金融資産等で賄う、という構造になります。

 

調査対象に近い60代のみなさんは、この項目毎に、まずは極力無理のない方法で、支出の見直しについて考えてみましょう。

たとえば、ということで一例を紹介しますが、食費に関しては、まずはストック(災害用の非常食を除きます)を一度使い切り、その上で、以後は必要分だけ購入するという意識に切り替えましょう。水道光熱費に関しては、日常の節約は自然体で行うこととし、基本料金の見直しが可能か検討してみましょう。電気料金では、契約しているアンペア数を減らすだけで、料金の削減につながります。具体的には、東京電力の月額アンペア料金は、60アンペアで1,87050銭ですが、30アンペアにすると93550銭と半額になります。4人家族時代に建てた自宅も、気が付けば子供2人が独立して60代の夫婦2人暮らし、というケースなどの場合、少額ではあるものの無理なく支出が削減できます。

 

50代以下のみなさんは、上記を参考にできることから対策に取り組むとともに、資産運用などにも取り組み、攻守のバランスよく資産形成を行っていきましょう。

また、そもそも支出規模がよくわからないという場合は、簡単に支出を記録するところからスタートしましょう。最近は、エクセルシートで作られた家計簿ソフトなどもあるので、これらを活用して気軽に取り組んでみることでもいいかもしれません。

 

 

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