民間の高齢者向け施設にも、いろいろな種類が

前々回のブログから、高齢者向けの施設について、ご紹介しています。このうち、前回は、コスト面でメリットがある公的施設を、5種類に分けた上で、それぞれの特徴を確認しました。今回はその続きで、民間施設について、それぞれの特徴をみていきましょう。

 

まず、民間施設に共通しているのは、入居にあたって「快適な生活環境」が重要視されることです。民間施設は、基本的に建物や設備はきれいで、バリアフリー仕様が標準的です。また、手厚いサービスを受けることができるのも、民間施設の特長といえます。

ただし、入居一時金が億円単位となる施設などもあり、費用対効果の検証も重要です。

 

以下は、民間施設を6種類に分け、特徴・入居対象・メリット・デメリットを、ごくおおまかに整理したものですが、それぞれに特色がありますので、入居者のニーズを踏まえて施設選びを行うことが、大切なのではないかと思います。

 

まず、手厚い介護を求める入居者には、「介護付き有料老人ホーム」がおすすめです。

 

〇介護付き有料老人ホーム(介護付きホーム)

・特徴:介護スタッフが24時間常駐し、介護サービスを提供

・入居対象:寝たきりや認知症などで介護が必要な高齢者

・メリット:すぐに入居できることが多い、手厚い介護

・デメリット:入居一時金や月額費用が高額

 

次に、自立の入居者には、「健康型有料老人ホーム」「シニア向け分譲マンション」がおすすめです。

 

〇健康型有料老人ホーム

・特徴:要介護になったら退去が必要、認知症の場合は入居不可

・入居対象:介護の必要がない高齢者

・メリット:入居者同士の活動やイベントが充実

・デメリット:終の棲家としては不適

〇シニア向け分譲マンション

・特徴:バリアフリー型の高齢者専用マンション

・入居対象:自立した生活が送れる高齢者

・メリット:バリアフリー、生活支援(見守り、緊急対応)、資産として保有

・デメリット:費用が高額

 

また、前2者の中間を求める入居者には、「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」がおすすめです。

 

〇住宅型有料老人ホーム(住宅型ホーム)

・特徴:介護サービスは外部事業者と別途契約が必要な高齢者住宅

・入居対象:介護をさほど必要としない高齢者

・メリット:軽介護度の入居者が、生活支援サービスの提供を受けられる

・デメリット:介護度や医療依存度が高くなると、退去が必要となる場合も

〇サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

・特徴:介護サービス付きの賃貸住宅

・入居者:要支援以上の介護認定者、または60歳以上

・メリット:入居時は、賃貸住宅同様に敷金だけ

・デメリット:介護度が高くなると、退去が必要となる場合も

 

最後に、認知症の入居者には、「グループホーム」がおすすめです。

 

〇グループホーム

・特徴:認知症の高齢者が対象の共同生活施設

・入居対象:認知症で要支援2以上、かつ65歳以上

・メリット:認知症に特化したケアを受けることができる

・デメリット:施設と同一地域内の住居と住民票が求められる

 

さて、介護付きホームの箇所には明記しましたが、住宅型老人ホームも含め、民間施設は「入居一時金」の存在が特徴的といえます。一定期間分の家賃を前払いで入居時に支払うものですが、「入居一時金で支払うことは、毎月家賃として支払うよりも、得なのか損なのか」ということに突き当たる方も多いのではないでしょうか。次回は、そのあたりを詳しく見ていきたいと思います。

 

 

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